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2023年度理事長所信

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一般社団法人出雲青年会議所 2023年度 理事長所信
Start Up
~ ひとつの目的のために ~
 
 
金村 英俊    

 私には愛すべき存在があります。それは育てていただいた両親、何の財産も持たない状態から今日を築いてくださった尊敬してやまない祖父母、大切な家族です。またもうひとつの家族といえる会社を支えていただいている仲間、これまで社業を営む中で出会えたお客様です。そして、まちの未来についてなど考えも及ばない社会人であった未熟な私に、多くのことを教えてくださった尊敬する先輩諸氏や仲間たちです。社業、青年会議所の活動を続ける中で、多くの愛すべき方たちに出会うことができたこのまちが、私は大好きです。

​ しかし今、私の愛するこのまちは大きな変化を迎える只中にあります。

 2019 年に端を発し、世界に蔓延した新型コロナウイルス感染症は、社会・経済に大きな打撃を与え、長期に渡って不安や困窮を拡大し続け、社会システムや人の弱さを露呈させました。一方でデジタルインフラなどの技術が浸透し、働き方・ライフスタイルに至るまで大きく変わり、今後感染拡大以前の状態に戻るのでなく、これまでの常識が通用しなくなるニューノーマル時代へと変化し、そのスピードはさらに加速していくとされています。それは技術の進化によって利便性が向上し、直接足を運ばずとも人とのつながりが持てる社会と言えます。しかし、利便性の向上と引き換えに、本来あるべき様々な機会が失われ、人と人とのつながりの希薄化が進むことで、自身と関りのないコト・モノに対し、無関心がより一層進んでいくことが懸念され、他者やまちに対しても無関心な社会となっていく可能性があります。その延長線上に私たちが目指す「明るい豊かな社会」はあるでしょうか。私にはその未来を想像できません。

 青年会議所が永遠の命題として掲げる「明るい豊かな社会の創造」は、自分自身や大切な方たちの幸せな未来へとつながっています。人と人とが強くつながり、社会課題に対し、関心を持つ社会が必要となります。まずは課題について知り、当事者意識を持って関わること、そして愛を持つことが必要です。「明るい豊かな社会」は、愛を持った関わり合いによって創られると考えます。人は皆それぞれの個性を持った存在です。自身について知り、自身を認めること、そして自身を愛することで、他者を認め、愛することができ、ひいては愛を持った関わり合いが生まれていきます。このまちの全ての人々が愛を持った関わり合いを深めていけば、誰一人取り残さない、持続可能なまちの形成へとつながっていきます。

 私たちの大切な方たちの幸せな未来に向けて、自らを奮い立たせ、志を立てることこそが「明るい豊かな社会」への「起点」となります。一人の力ではなく、志を同じうする者、相集い、力を合わせ、大きな社会変化の中で人と地域の活力を生みだし、激動の時代を切り拓く「起点」となってまいりましょう。


 

<ひとつの目的のために>

 全ての組織には目的があります。時代背景の中で社会課題が変化することで、目的も同時に変化をしていきますが、青年会議所においての最上位目的は「明るい豊かな社会の創造」であり、創始の精神は不変であります。組織としての目的があるとともに、メンバーにもそれぞれに青年会議所に入会した目的や、青年会議所で活動する中で達成したい目的があるはずです。目的とは最終的に実現したいものであり、存在意義そのものでもあります。しかし、それぞれの歩みの中で青年会議所活動や日々の生活の目的を見失うこともあるでしょう。そんな時は「何のために」という問いを自身にぶつけ、目的に立ち返り、40 歳までの限られた尊い時間の中で、青年らしく挑戦し、一歩でも前に歩みを進めて成長してまいりましょう。私たちの成長がこのまちの「明るい豊かな未来」へとつながることを信じて。

 

 1957 年、27 名の先輩諸氏によりこのまちに青年会議所の火が灯されました。先輩諸氏が立てられました「我々のまちの未来は、我々自身の手でつくる」という志は、まさに「明るい豊かな社会」への「起点」と言えます。

 以来 66 年もの長きに渡り、多くの先輩諸氏が出雲青年会議所の歴史を紡いでくださり、いま私たちの手に引き継がれています。いつの時代も社会・地域課題解決に「起点」となって向かって行くことは、私たち青年の責務であります。先輩諸氏が現在の私たちが住み暮らすまちの未来を描いてくださったことへ深く感謝するとともに、私たちが大切な方の幸せな未来に向け、自らが「起点」となる覚悟を持って率先して行動してまいりましょう。私たちの未来は無限の可能性を秘めています。なぜなら未来は私たちの今日の行動で創られるからです。私たち青年は、青年としての英知と勇気と情熱をもって、前に進むのみです。


具体的政策
①長期、短期の展望と事業展開について
 

 突如として訪れた新型コロナウイルス感染症は、私たちに急速な変化と、これまでの当たり前がいかに尊かったのかを気づかせました。不確かな時代を切り拓いていくため、持続可能な社会を目指していくために私たち出雲青年会議所は 2023 年から 2027 年の中期ビジョン「より良い出雲へ ~あらゆる起点とあれ~」を掲げました。

 まちの未来はまちに住まう「ひと」が創っていきます。社会・人財・環境・経済・組織の5 つのフィールドにて人の意識と行動を変える「起点」として、全ての人々が笑顔で生きがいを持ち、自ら挑戦し続けることができる社会を目指し、運動を展開してまいりましょう。

 

②組織並びに運営について
「個性輝くひとづくり」

 青年会議所の掲げる命題「明るい豊かな社会」をもたらすために私たちはどう変化し、成長していかなければいけないのでしょうか。大きな社会の変化が訪れているいま、そのうねりにただ身を委ねるのではなく、私たち自身がその変化を受け入れ、認め、起点となって運動を起こしていける人財に成長していかなければなりません。

 そのためには、まず自分自身の在りようを認め、その個性を磨くことで自身の魅力を輝かせていくことが重要です。またそれだけではなく、他者の個性や属性を認め、互いの多様な価値観を尊重し、対話と愛のある関わり合いを深めることで、私たちが求める理想に近づけると私は考えます。

 誰一人取り残さない持続可能な社会を築いていくため、各々が輝き認め合い、それを強みに変えるダイバーシティの要素を取りいれ、「和を以て貴しとなす」の精神性を持った日本人だからこそできる多様性ある社会を築ける人財を育成してまいりましょう。


「共に創る持続可能なまちへ」

 出雲のまちには、解決すべき社会課題が山積する一方で、実り多き豊かな自然に囲まれた環境的価値、先人が築いてくださった文化的価値をはじめ、大きな可能性があります。そして、多くの地域諸団体や組織があり、それぞれが独自の考え方を持って、まちへの想いが溢れた活動を行っております。そうした可能性を信じ、お互いの経験や知識を総動員させることで、新しいうねりを生み出すことができるのではないでしょうか。同じ様にまちの未来を考える人々と共に運動を起こすことで、その未来への想いはもっと強靭なものとなり、より高い効果を生み出すことができるのです。人と人、人と組織、組織とまちが相互につながることで、さらに強く想いが循環すると考えております。青年会議所がその「起点」となり、多くの組織と連携することで、より良いまちへとつながっていくと確信しております。

 また、青年会議所は、SDGs が掲げる「誰一人取り残さない社会の実現」の理念に共感し、全国各地で SDGs 達成に向けた行動を起こしてきました。2023 年度も SDGs をより一層推進する団体として、私たち青年会議所だけでなく、市民や行政、教育機関、地域諸団体の皆さまを巻き込みながら、運動を共に進めていくことで、持続可能な未来を築いていくことが必要です。共にこのまちの未来を創る礎を築いてまいりましょう。


「しなやかな組織運営」

 出雲青年会議所の礎となっているのは「ひと」であり、その活動は地域への貢献へとつながっています。予測が困難で先行き不透明な時代だからこそ欠かせないのは、組織としての信頼性です。また組織のあり方はその時代によっても変化していきます。持続可能な組織として、信頼ある組織として信認してもらうため、組織の軸を持ち、目指すべき目的に向けてどう行動を起こすかを考え実践する、組織としてのしなやかな在り方が必要です。社会から信頼され、メンバーが多くの挑戦ができ、成長を続けることができる組織運営をしていかなければなりません。

 また、出雲青年会議所の存在価値を高めていくため、広報活動は益々重要となります。情報過多な時代において、様々な情報発信手段の中から効果的な手法を選択し、地域を愛し活動を続ける私たちの情報を正しく発信することで、より一層存在価値を高めていくことへ挑戦してまいりましょう。


「結束する島根ブロック大会」

 本年度、出雲青年会議所は 2014 年以来 9 年ぶりに第 49 回島根ブロック大会を主管いたします。ブロック大会は島根県内全ての青年会議所メンバーが集結し、青年会議所の存在価値を確認し、結束を誓い合う場であり、主管地である出雲のまちの魅力を最大限に発信する絶好の機会となります。社会情勢が変化する中だからこそ地域の持続的発展が求められています。ブロック大会の開催に向け、青年らしい発想力と挑戦をする能動的な行動力により、メンバー一人ひとりが成長し、組織力が向上することで、出雲青年会議所のさらなる発展へとつながります。地域の魅力を最大限に発揮し、志を同じとする仲間のために、出雲青年会議所らしいブロック大会を実現し、誰もが輝く持続可能な社会を目指してまいりましょう。

 

「友を求める会員拡大」

​ 青年会議所の魅力は何かと問われたとき、私は「尊敬できる仲間がいること」であると答えます。共に活動する中で、友人でありライバルである存在がいるからこそ切磋琢磨し、向上心を持って活動ができます。先輩のリーダーシップに憧れを抱き、同期の活躍に闘争心を掻き立てられ、後輩の行動力の高さに心強さを感じる。そんな仲間が自身を成長させてくれる。すなわちそれが積極的変化であり、青年会議所の大きな魅力なのです。そして、青年会議所運動とは、山を越え谷を渡って、はるばると心の友をさがし求めていく運動だと言われています。仲間との出会いは何物にも代えがたい成長の機会です。人は人を磨く砥石であるならば、仲間を求め、共に魅力ある人財へと成長し、このまちの「明るい豊かな社会」へとつなげてまいりましょう。

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