2026年度理事長所信

一般社団法人出雲青年会議所 2026年度 理事長所信
勇猛果敢
〜熱く、前へ、共につながる挑戦を〜
石橋 慎也
自分の力でまちを変えたいと、心から強く思った瞬間が、私の人生にはあります。その想いは、ある日突然生まれたものではありません。10代後半の頃、右も左も分からないまま会社を起業し、ゼロから事業を立ち上げたあの経験が、今の私の土台をつくってくれたのです。創業当初は、理想と現実のギャップに何度も打ちのめされました。資金繰りに悩み、人材が集まらず、仕事も思うように受注できない。自分の無力さを痛感する日々でした。それでも、誰かがやるのを待つのではなく、自分がやるしかない、という気持ちだけは、どんなに苦しくても失わずにいられました。頼れる人がいなかったからこそ、自分を信じるしかなかった。そうして、一歩ずつ、一つずつ、積み上げてきた道のりがあります。その頃から私は、「地域に必要とされる存在でありたい」と強く思ってきました。単に会社を存続させるのではなく、社会に価値を還元できる事業をしていきたい。その想いが、青年会議所という新たなフィールドで、さらに大きな目標へと姿を変えたのです。青年会議所で出会った仲間たちと共に、まちの未来を語り合い、議論を交わし、実際に行動する中で、私は再び「情熱の塊」となっていく自分を感じました。企業経営で経験した挑戦と苦悩、あのとき得た覚悟や執念が、今、地域の課題と真正面から向き合う力へと転化している。そんな実感を、何度も味わっています。
出雲というまちは、私に数えきれない恩恵を与えてくれました。自然の豊かさ、古からの歴史、文化、そして人の温かさ。それは、まぎれもなく私自身を育んできた源です。しかし今、この地域は大きな岐路に立たされています。人口減少、若者の流出、地域経済の縮小、そしてつながりの希薄化。これらの問題に、私たちは真正面から向き合わなければなりません。だからこそ、今、私たち青年が前に出るべきなのです。誰かがやるのではなく、自分たちがやる。その覚悟を持つ者が、このまちを変えていくのです。
「勇猛果敢」という言葉には、恐れず挑み、力強く行動する意思が込められています。熱を持った一人が、また一人の心を動かし、やがてまち全体を巻き込む熱量へと広がっていく。その力を、私たちは信じています。青年会議所とは、ただの地域団体ではありません。20歳から40歳までという限られた時間の中で、自らを鍛え、社会に向き合い、未来を創る覚悟を持つ者たちの集まりです。ここには、失敗を恐れず、挑戦を称える文化があり、誰もが本音で語り合い、支え合える環境があります。それが、この場所の一番の魅力だと私は感じています。私自身、青年会議所で数えきれない仲間と出会いました。時に激しく意見をぶつけ合い、時に笑い、時に涙を流しながら共に活動をやり遂げてきた日々。そのすべてがかけがえのない学びとなり、成長の糧となりました。仕事や家庭だけでは得られない出会い、視野
の広がり、そしてまちを良くするという志。それらが、自分の人生をより豊かに、より前向きに変えてくれたのです。若い頃、苦しみながらも必死に会社を立ち上げた経験があるからこそ私は今、こうしてまちのために本気になれるのだと思います。あの経験がなければ、この情熱はきっと芽生えていなかったでしょう。私たちの挑戦は、決して自己満足のためではありません。今ここに暮らす人々が、もっと自分のまちに誇りを持てるように。子どもたちがこのまちで生きていきたいと思えるように。そうした未来を実現するための今を生きているのです。地域づくりは、一朝一夕に結果が出るものではありません。けれども、小さな変化を積み重ねていくことで、まちは必ず変わっていきます。だからこそ、私たちは諦めずに行動を続けるのです。変化の兆しを誰かに委ねるのではなく、自らがその兆しとなるために。どんな時も情熱を絶やさず、志を共有する仲間と共に、信じた道を進んでいきたいと思います。過去に苦悩を越えた経験があるからこそ、どんな壁にも立ち向かえる。そう胸を張って、これからも私はまちのための挑戦者であり続けます。これからも私は、仲間と共に挑戦を続けます。出雲というまちの未来を信じて。そして、私たちの行動が、次の世代の希望と誇りにつながることを、心から信じて。
具体的政策
①長期、短期の展望と事業展開について
令和5年から掲げてきた中期ビジョン「より良い出雲へ 〜あらゆる起点とあれ〜」は、青年会議所の本質を捉えた言葉です。
・自らが起点となり課題を見つけ、行動を起こす
・人と人をつなぎ、地域のハブとなる
・想いを言葉にし、言葉を運動に変えていく
このビジョンに基づき、私たちは全委員会、全会員が自らの足で立ち、自らの言葉で未来を語る組織へ進化します。
出雲青年会議所が掲げるビジョンを地域に根付かせるためには、行政、企業、学校、地域団体などとの連携が不可欠です。単なる協力関係にとどまらず、共に考え、共に創る関係を築いていきます。地域の声に耳を傾け、我々の声を届け、対話を重ねる中で、信頼と共感に基づいたまちづくりを進めていきます。私たちが起点となり、地域全体を巻き込んだ運動へと昇華させていく覚悟です。
②組織並びに運営について
■未来につなげる人財育成
青年会議所の永続性は、会員にかかっています。単なる数合わせではなく、理念に共感し、運動に参加し、自らも成長したいと願う同志を増やすこと。それはまちの未来に火を灯す行為です。我々メンバーは、最初は不安を抱えつつ入会しますが、青年会議所の活動を通じて地域の課題に本気で取り組む姿勢を身につけます。特に奉仕活動では、自分の働きが地域の
人々の笑顔を生むことを肌で感じ、自分自身の存在価値に気づきます。また、修練の場での困難な課題に仲間と取り組み、壁を乗り越えた経験が自信となり、それが日々の仕事や家庭生活にも良い影響を与えます。そして、友情という信条のもとに築いた仲間との絆は、人生の宝物になります。三信条「修練」「奉仕」「友情」を体現し、青年会議所でしか得られない成長の機会を提供し、一人ひとりが青年会議所の理念に触れ、仲間との絆を深めながら自分自身の成長物語を紡いでいけるような育成に全力を注ぎます。そして、次世代の核となる人財を組織的に育ててまいりましょう。
■未来を担う青少年育成
少子化の加速、都市への一極集中、そして地方における若者の流出。これは今、日本全国が直面している大きな社会課題です。特に地方においては、このまちで育っても将来が見えない、魅力あるロールモデルが見つからない、といった声が若者の間で増えつつあり、地域に根ざした誇りや愛着を感じにくくなっています。だからこそ、私たち出雲青年会議所は、未来を担う青少年に対して、出雲の魅力と本気で生きる大人の背中をしっかりと見せていき、自然・歴史・文化・人とのつながり、古より続く出雲の豊かさをただ伝えるだけでなく、自分ごととして体感し、学び、行動できるような機会を創出します。地域探訪による郷土理解、教育を通じた自己実現のヒント、多様なテーマを通じて子どもたちに問いかけます。一度県外に出たとしても、自分の原点は出雲にある、いずれこのまちに帰り、何かを成したいと思えるような、心に深く刻まれる体験こそが、本質的な青少年育成であると私たちは信じています。学校、保護者、地域団体と連携し、地域ぐるみで子どもたちを育てる輪を広げていくこと。それがこのまちの未来への礎となります。
■堂々たる組織運営と次代への拡大
どれほど志高いビジョンがあっても、組織がうまく機能していなければ、その志は形にはなりません。組織運営は、青年会議所という組織を裏から支える、いわば目に見えにくい中枢です。会議の設営や議事録の整備、予算や資料の管理、行事のスケジューリングや情報共有の仕組みの構築など、一つひとつは地味であっても、すべてが揃って初めて組織は前に進むことができます。また、組織は変化を止めたときから衰退が始まります。そして、本年度は皆様には、円滑な運営だけにとどまらず、次代を担う新たな仲間との出会いを創出する「会員拡大」の要としても、大きな役割を担っていただきます。拡大とは単なる数合わせではありません。一人ひとりがこの組織で何を得て、どう地域や自分の人生に活かしていけるか。それを伝え、実感してもらえるような環境づくり、関係性づくりを地道に積み重ねていきます。そのためには、全委員会の連携が不可欠です。行事一つを成功させるために、役割を超えて助け合い、声をかけあい、相互理解を深めていく、そうした風通しの良い組織文化を築いていくことこそが、未来の出雲青年会議所の土台になると私は信じています。
縁の下の力持ちとして、時に現場の最前線へ。静かでありながら力強い組織の運営力があ
るからこそ、すべての委員会が最大限に力を発揮できるのです。堂々たる組織運営と、心からの拡大運動で、次代への力強い一歩を踏み出していきましょう。
■速やかな情報発信と70周年へのバトン
どれほど情熱的で感動を生む運動であっても、それが世の中に伝わらなければ、存在しないのと同じ、それが、私が広報という役割に強い使命感を抱く理由です。私たち出雲青年会議所が行う一つひとつの事業には、地域を変える力があります。しかしその力は、地域の人々の心に届くことで初めて本物となります。だからこそ、情報発信は活動の仕上げであると同時に、次の一歩を導く起点でもあるのです。本年度は、動画制作・SNS運用・紙媒体の編集といった異なるメディアを、単なる発信ツールとしてではなく、共感を生むストーリーテリングの手段として活用します。また、70年という長い歴史を重ねてきた出雲青年会議所。その歩みは、まさに時代とともに地域を支え、変え続けてきた証です。この70周年という節目の前に広報を担うことの重みを深く受け止め、過去の記録に目を通し、先輩方の写真と言葉から浮かび上がる変わらない志に触れるたびに、私たちは今、次の世代へとつないでいく責任を担っているのだと強く感じます。70年という時間の重みを敬い、そのバトンを確実に次代へつなぐために、私は全力でこの役割に臨みます。そして、未来の誰かが、このときの青年会議所の発信が、自分の原点だったと振り返ってくれるような広報を目指して、走り続けていきましょう。
■出向者支援と広がる成長機会
青年会議所という組織の最大の魅力は、地域を越えて全国へとつながる人と志のネットワークにあります。日本青年会議所、中国地区協議会、そして島根ブロック協議会への出向は、単にスキルを高めるための機会ではなく、自分自身の視野を広げ、価値観を磨き、つながりという財産を築くための、かけがえのない挑戦の場です。私たちのLOMから出向するメンバーが、新しい地域や立場で活動するとき、彼らは単なる個人ではありません。「出雲」という地域と「出雲青年会議所」という名を背負い、新たな人々との関係を築いていく大使のような存在です。そうした出向の先で生まれる出会いや学び、困難を乗り越える経験は、必ずLOM全体に新たな風をもたらしてくれます。出向者への支援は、単なる義務ではなく未来への投資であると私は捉えています。これからも、挑戦するメンバーの背中を全力で押し続け、「出向して良かった」「この経験が人生を変えた」と言えるような環境を整えていきます。そして、その成長の種を、LOM全体に還元できるような仕組みと意識を育んでまいります。
最後に
青年会議所とは、自分を変える場所であり、まちを変える原動力です。
誰かがやるのを待つのではなく、自分がやる。やれるかどうかではなく、やると決める。
私はこの1年、勇猛果敢に全力で突き抜けます。一人ひとりのその想いと、行動と、挑戦が、出雲の未来を照らす光となります。
共に熱く、共に前へ。 勇猛果敢に、さあ進もう!
