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2024年度理事長所信

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一般社団法人出雲青年会議所 2024年度 理事長所信
日々是前進
~ 委ねられし次代を希望が切り拓く
 
 
江角 彰則    

 来のことは誰にもわからないが、未来が誰に委ねられているのかはわかる。
 

<はじめに>

 私自身の人生を振り返ると、祖父母や両親、恩師に先輩、多くのひとに恵まれている。自暴自棄や不登校、うつ病になった時期もあり、多くのひとに迷惑や心配をかけたと、思わざるを得ない。
その度に、自身は何のために存在しているのだろうと考える。今からでも決して遅くない。
謙虚にひたむきに素直に、前へ進み続け、次代を切り拓いていきたいと思う。

<青年会議所との出会い>
 私は25歳の時、出雲青年会議所とのご縁をいただきました。きっかけは、仕事でお付き合いのある先輩からのお誘いでした。当時の私は大学を卒業し家業を手伝っている中で、30歳、40歳になった時に、今のままで大丈夫なのだろうかという疑問を抱えていました。命あるものは等しく、歳を重ねていきます。いずれは自分自身の力で社業を拡げなければならない、そう考えていた矢先、青年会議所の話をいただきました。はじめは、何を目指している団体なのか、どのような活動をしているのか、正直関心はありませんでしたが、今まで出会う機会のない異業種や同世代のひととのつながりを求めて出雲青年会議所の門を叩く決断をしました。私は2024年で入会13年目を迎えます。これまで数多くの機会とひとに恵まれるとともに、活動できているということに、祖父母や両親、社員、仕事で関りのある方全ての皆様に感謝を感じずにはいられません。だからこそ、いただいた恩を返すだけでなく恩を紡いでいくことも忘れず、今日よりも明日がより良くなることを目指し、行動していかなければならないと痛感しています。

<これからどのように次代を切り拓いていくか>
 2023年5月5日、世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染症に関する「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を終了すると発表されました。2020年1月に緊急事態宣言が発表されてから実に約3年3ヶ月、未曽有の危機に直面しながらも、様々なところで英知を集結させ、ニューノーマルなライフスタイルや働き方が編み出されました。この青年会議所においても、当たり前だったリアル開催も、WEB開催やハイブリッド開催に変え、全国各地で運動を止めることなく、その中でできることを考え合い、持続可能な地域を目指し行動してきました。私は、その行動力だけは決して失ってはいけないと考えています。そして、これからも私たちを取り巻く環境は決して安寧な状況とは言えません。先進国の中でも深刻な少子高齢化や新たな産業を創出できず、イノベーションを興す土壌がないこと等、日本全体の課題、各地域課題が山積しています。それらの課題を解決に向け、より多くのひとに課題に目が向かうためのきっかけづくりや意識を醸成する機会をつくり、一人ひとりが主役であり当事者として、良い地域だと思える社会を目指し、日々を生きてまいりましょう。
 
 出雲青年会議所は、1957年1月23日に全国で106番目の青年会議所として設立されました。
「家族のことを思い、同胞のことを考え、恋人をしのびながら戦争で死んだ友人をもつ年代の者の、家を焼かれ街を壊され村を荒らされてしまった戦後社会に、もう1度失われた日本を取り戻すことのできるのは青年組織をつくることだ」この熱い想いのもと、27名の先輩諸氏によって、歴史が始まりました。その歴史も、多くの先輩諸氏や現役メンバーの想いで紡ぎ続け、2024年で67年目を迎えます。当時と時代背景は異なりますが、今でも変わらないことは、「次代を担う者としての実力見識を養う」「より良い社会を創り上げるための奉仕努力」「会員相互同胞人類全体の友愛醸成」のもと、メンバーが活動しているということです。私はメンバーの1人として、この信念によって、私自身の人間観の幅を拡げていただいた、自己成長につながったと感じています。この信念だけは変えてはならないと考えています。

青年会議所という団体は、単年度制で活動を行っています。1年で方針もひとも体制も変わる。不変なのは「明るい豊かな社会を実現すること」だけです。2022年の創立65周年時に、2023年から2027年までの5年間で中期ビジョン「より良い出雲へ~あらゆる起点とあれ~」を策定しました。このビジョンを通して、出雲青年会議所メンバーだけが起点となるのではなく、出雲青年会議所メンバーがきっかけとなることで、より良い出雲への起点となるひとを増していかなければなりません。「世のためひとのためが自分のため」自身の想いを大切に、一人でも多くのひとが、まちや子供たちのため共に行動を起こす、共に地域を創る好循環社会を目指してまいりましょう。
 
具体的政策
①長期、短期の展望と事業展開について
 日本や地域が抱える課題は、そこに住み暮らす私たち自身の手で解決策を見出していくしかない時代です。そのためには、2023年から2027年までの中期ビジョン「より良い出雲へ~あらゆる起点とあれ~」のもと、青年会議所メンバーがまずは主体的に行動し、一燈照隅の精神であらゆる起点となることです。自分が居るその場を照らすことは絶対に必要なことで、誰にでもできます。私は、「一生懸命に行ったことが誰かのためになり、それを一度だけでなく、二度、三度と続けていく、一人ひとりがそれぞれの役割を果たしていけば、必ず大きな成果へとつながる」と考えます。小さな一燈が萬燈になれば萬燈遍照になる。知識から見識に。さらに見識を胆識へ変化することができれば、必ず環境を変えることができ、青年会議所が目指す「明るい豊かな社会」が実現します。
先人が築き残してくれた想いを紡ぎ、日本だけでなくアジアや世界、広い視野と行動を組み合わせ、まちを想い行動するひとで溢れる地域を創造し、次代を切り拓き、連綿と続く想いを次代へと届けてまいりましょう。

ひとは希望である。


②組織並びに運営について
「互譲互助に溢れる次代の創造」
 その地域で生きる人々が今を幸せに感じ、生きがいに溢れているのなら、きっとその地域は魅力的であり、幸せな環境ではないでしょうか。しかし、これからは、その環境を地域に住み暮らす一人ひとりがどうすれば実現するかを考え、行政、企業、個人がそれぞれのフィールドで行動を興し、共に協働していかなければならない状況にあります。誰かに委ねるのではなく、自らの手に委ねられていることに気付き、自身が望む姿を実現するために、まちの現状を知り、まちの次代を考えていくことが重要です。そして、2018年12月のSDGs推進本部にて、次世代のSDGs推進プラットフォームが立ち上がり、「次世代・女性のエンパワーメント」を掲げ、2030年以降もSDGsを推進し続けていきます。私たち青年会議所も、2019年以降SDGsの推進に向け取り組みを行っておりますが、もっと身近なところから意識を巡らせ、取り組みの輪を拡げていくことが大切で、その積み重ねが持続可能な次代を紡いでいきます。さらに、ひとが生きる原動力はひとであることは言うまでもありません。ひとの想いを紡ぎ、ひとによって自身の気持ちを高揚させ、誰かのために行動する。憧れや感動はひとの手によってしか生み出せない。ひととの出会いと心が通った時、さらに様々な物事をより良くしたいと願うようになります。日本、地域をより良くするため、青年会議所だけでなく、幅広い世代も「より良い出雲の起点」となれるように、お互いを想い合う次代を築いていくために、前へ進んでまいりましょう。
 
「次代を切り拓く人財育成」
 青年会議所の大きな魅力の1つは国際的ネットワークをもっていることです。近年は新型コロナウイルス感染症の蔓延により、WEB上で国際に触れる機会はありましたが、実際に身をもって触れる機会はありませんでした。その間にも、世界各国では様々なイノベーションの種が蒔かれ、新たな産業が興され、技術の進歩で国力を発展させました。その中でも、私たちが生きる日本は、様々な社会問題に溢れ、このままの日本のシステムでは社会問題を解決することは困難であり、日本の植民地化や経済破綻すると言われています。しかし、そのような問題を現在の子供たちに負わせるわけにはいきません。いつの時代も、子供たちには夢をもって、実現できる環境にしていく責任が大人にはあります。生産年齢人口の中核である私たちも率先して国や地域を想いビジョンをもって行動していかなければなりません。そのためには、日本以外の国と地域に解決の糸口があると考えています。青年会議所が有している国際の機会を活用し、ひとやひとの想いに触れ、社会システムに大きなイノベーションを興す人財育成を目指し、前へ進んでまいりましょう。

「次代への起点となる組織運営と情報発信」
 出雲青年会議所の組織運営には、至る所に形式美が存在しています。その形式美は一人ひとりが妥協することなく、常に相手のことを想うことで生み出されています。私が2019年に総務広報委員会担当理事を務めた時も、諸会議の運営や下支えをしていく中で、出雲青年会議所がもつ「美」を学びました。今でもその「美」は青年会議所活動だけでなく、ビジネスや様々な場面で活用できています。遵守していくガバナンスと時代に沿ったツールを組み合わせ、柔軟かつ新たな運営に挑戦してまいりましょう。
そして、情報発信においても様々な手段が誕生しており、使用するターゲットもそれぞれです。何のために誰に向けて情報発信を行うのか、目的と効果を意識し継続する必要があります。情報の受け手が出雲青年会議所の活動に共感していただけるように情報発信にも「美」を追求するとともに、メンバー間でも情報共有をより浸透できるように工夫していくことで、出雲青年会議所の価値を前へ進めてまいりましょう。

「委ねられし次代への自己向上」
 青年会議所の使命は、「青年が社会により良い変化をもたらすためにリーダーシップの開発と成長の機会を提供する」ことです。そして、リーダーシップの解釈は各々で異なると思いますが、私は、「目標達成に向けて最大限のプラスの言葉や態度をとり、周囲に良い影響を与えること」であると考えます。青年会議所は常に成長の機会を与え続けてくれます。それは青年会議所の魅力でもあります。一方で、誰もが一生懸命に取り組むからこそ、その道のりで葛藤を感じてしまいます。しかし、その葛藤を感じた瞬間が成長への分岐点であります。その時こそ、前向きに物事を捉え、見守ってくれている大切な人や同じ志をもった仲間のために、やり抜いてまいりましょう。JCしかなかった時代から、JCもある時代になったと耳にすることがあります。しかし、今もJCしかない。そのJCを創造していくのは、私たち現役メンバーです。私たちの手で、枠に囚われず、前へ進んでまいりましょう。
 
「プラスoneで紡ぐ次代への会員拡大」
 私はビジネスのつながりを求めて出雲青年会議所に入会しました。入会して13年目を迎える今でも私自身の目的は変わっていません。そして、確実にそのつながりを増やすことができました。さらに、青年会議所活動に邁進していく中で、仲間と共に懸命に取り組み、全国各地で共に汗を流した仲間と出会えた経験も、私の財産です。「青年会議所活動で成功は約束されていないが、成長は約束されている」青年会議所で共に活動する仲間が一人でも増えれば、まちの次代へとつながります。個人、地域、国際、ビジネスの4つの機会を通して、一人ひとりが希望を見出し、共感の輪を拡げ、前へ進んでまいりましょう。


学び続けることで視野が広がり、柔軟な発想が生まれ、たくさんの選択肢をもてる。上手くいかないことは、自分の至らなさを客観的につきつけられているということ。苦しければ苦しいほど、本当の自分がわかる。
その時々で自分が何を考え、どんな行動をするのか。
成長する機会をもらっていると前向きに感謝の気持ちをもつ。決して遅くない。
少しだけ背伸びをして、希望をもって次代を切り拓いていこう。

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